バイオミメティクスとは生物の形状や仕組みを観察し、新たな技術の開発へと応用することです。 バイオミメティクスは重要な研究方法であり、古来から様々な分野の技術開発の鍵となっています。 JAXA航空技術部門の星光さんはマンボウの骨格を参考にした新しい機体の形状の設計、研究を行なっています。この機体はブレンデッドウィングボディと呼ばれる新しい形状をとっています。この形状は現在主流であるチューブアンドウィング型の飛行機形状に比べ、燃費向上に加え、飛行中の排出ガスや騒音の低減が見込めるとされています。 マンボウの骨格構造は形状、負荷のかかり方の両観点から航空機に類似しており、最適な負荷のかかり方をモデル化する対象として適しています。 このような飛行機を2050年代までに飛行させることが目標となっています。マンボウ型の飛行機に乗って旅行できるようになる日も遠くないかもしれません。 こちらはJAXA様に模型をお借りし、対面の五月祭会場にて展示しております。
<生物から学ぶ新技術~深化するバイオミメティクス~ 映像紹介>
超音速機とは、音速より速く飛行する航空機のことで、これまで飛行機で長時間かかっていた距離を短時間で繋ぐ新たな交通手段として、ますます期待が高まっています。例えば、東京からシンガポールまで現在7時間のフライトを、現在の2倍の速さで飛ぶことで3.5時間まで短縮することができます。 しかしながら、その新たな航空機にはさまざまな技術的な課題があります。例えば、ソニックブームです。ソニックブームというのは、飛翔物が、大気中を音速を超えた速さで運動すると生じる衝撃波のことで、地上では大きくとどろく爆音として観測されます。 この超音速機に付随して必ず生じるソニックブームによる轟音を低減することに成功したプロジェクトが、上の動画で紹介されているD-SENDプロジェクトです。この成果を元にJAXAでは静かな超音速旅客機の研究開発を進めています。