エアバスはフランスのトゥールーズ、ドイツのハンブルク、中国の天津、アメリカのアラバマ州に最終組み立て工場をもつヨーロッパの航空宇宙メーカーです。ヨーロッパにおける最大の航空機メーカーであり、アメリカの航空機独占に対するヨーロッパの国々の危機感からフランスと旧西ドイツの共同出資により生まれた会社です。世界中に130,000人の従業員がおり、飛行機だけでなく、人工衛星やヘリコプターなども製造している世界的企業です。 今回の「宙市」では、エアバスジャパン様のご協力の元、A380 Flying Honu、A350、Airbus Spaceの展示を行っています。
A380は世界最大の旅客機であり、定員はモノクラス(エコノミークラスのみ)で853人であり、Flying Honuではファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラスで定員520人を誇ります。現在主流の旅客機の2つと異なり、エンジンは4つを有していることが特徴です。 日本国内ではANAが成田-ハワイ便で運用するために特別ラッピングを施された3機を保有しています。コロナ禍でハワイ便は減便されてしまいましたが、成田発の遊覧飛行などイベントでよく顔をだし、注目を集めています。今回はANA保有の3機のA380 Flying Honuのうち3番機・オレンジ色のFlying Honuを展示しています。
中〜大型のジェット機旅客機です。エアバスの機体の断面は幅5.64mの円形のものが伝統的に多く採用されてきましたが、A350 XWBは上部が幅5.96m円、下部が幅5.64m円のダブルバブル(2つの円弧を接続した形)断面が採用されています。また、主翼が全て複合材製になっていますが、これはエアバスにとって初めての試みです。エンジンはパワフルなロールス・ロイス社製Trent XWB-97エンジンです。「もし国内線で1年間飛ばしたとすると、それだけで1機あたり2億円のコストを削減できる」※と言われるほどの燃費の良さからJALがエアバスから新造購入した初の旅客機になりました。今回はエアバスカラーの機体の模型を展示しています。
2021年8月24日「なぜエアバスを? JALで増える”たぬき君”「A350」の2年 10機体制になった初づくし機」より(https://trafficnews.jp/post/110080/2)
この動画はA350-1000の最終組み立てから型式証明をとるためのテストの様子です。現在では無事型式証明を取得し、日本国外の航空会社での運用が始まっています。A350-1000は、JALが羽田〜福岡便を皮切りに順次国内の幹線での運用拡大させている国内線向けのA350-900の派生型であり、今後JALが国際線用の機体として導入予定です。
エアバスは航空機だけでなく、約50機の地球観測衛星システムの構築や、これまで100機近くが発注された静止衛星用バス「Eurostar」など50年以上にわたって宇宙事業にも取り組んでいます。日本でもデータ中継衛星「EDRS-D」をスカパーJSATと共同開発し、アジア太平洋地域上空に配置する計画です。また、NECスペーステクノロジーや三菱電機、住友電気工業などとも連携し衛星のコンポーネントを提供しあっています。 さらに、Airbusは次世代通信規格6Gに備え、HAPS の早期実用化に向けた研究開発などの推進を検討する覚書を日本大手企業3社と締結しました。基地局を搭載した無人機を用いて、陸海空をカバーし、災害に対しても強靭な通信インフラの整備を目指しています。